【一命】に見る 寄る大樹の倒れた後
02.212014
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【一命】を観た。
1962年の仲代達矢主演の『切腹』(せっぷく)のリメイク作品。
あらすじはコチラをどうぞ。
キャスト
- 津雲半四郎(つくも はんしろう) – 市川海老蔵
- 千々岩求女(ちぢいわ もとめ) – 瑛太
- 美穂(みほ) – 満島ひかり
- 斎藤勧解由(さいとう かげゆ) - 役所広司
- 監督 – 三池崇史
- 原作 – 滝口康彦『異聞浪人記』
- 脚本 – 山岸きくみ
- 音楽 – 坂本龍一
興味深い映画でした。
市川海老蔵が、役どころにしては若すぎる感がなきにしもあらずだけど、
ラストの怒涛の殺陣は迫力があり、
随所で見得を切る様はさすが歌舞伎役者といったところでしょうか。
瑛太と満島ひかりは2011年のドラマ「それでも、生きてゆく」で、
共演した時の不思議な空気感がやはり漂っていて、
オモシロイなあと思いました。
てか、瑛太の切腹シーン、
あまりにリアルに痛さが伝わってきて、直視できず。
巧すぎるのもアレだね^^;
役所広司が珍しくヒール。
もっと憎々しさに徹して欲しかったなあ^^;
主家が取り潰しとなって、生活に困窮した浪人は、
いわば、会社倒産の憂き目にあって、
失業したサラリーマンのようなもの。
生活の手立てをなくしても、
武士の面目だけは守るという、
愚直な生き方しかできなかった男に育てられた子らは
あわれにも生活力のない大人になってしまった。
財力もなく、妻子を守る力もなく、
取った手段が「狂言切腹」という、
いわばゆすり行為。
待っていたのは、武士の対面を嵩にきた、
イジメ、パワハラ。。
なんというか、非常に後味の悪いものが残る映画でした。
清貧を美しいものとして受け入れるのは、
良しとは思いません。
より良い人生を生きるために、
何を守って、何を捨てるべきか?
時代がそれを強いたといえば、そうに違いないけど、
こんな生活力のない男は嫌だなあ^^;
ああ、選択できる生き方がたくさんある現代に生まれてよかった。
なんてことを考えてしまいました(笑)